老眼もアンチエイジングの時代、あきらめないで

Presbyopia Anti-Aging1

目の老化をストップ、手術によって老眼は治せる

悲しいことに老眼になるのは避けられない-従来の見解
早い人で30代から普通の人で40歳から老眼になります。だいたい65歳まで進行して、65歳で老眼の進行は止まります。文字を見るときに30センチ離して見るようになったら老眼の始まりです。身体が衰えるのと同じく目も衰えていくのは誰しも避けることはできません。見るためには目の中のレンズ(水晶体)とそれを支える筋肉(毛様体筋)が柔軟に動くことが必要です。毛様体が伸びたり縮んだりし、それに合わせて水晶体が薄くなったり厚くなったりして遠くや近くに焦点を合わせています。加齢とともに毛様体が固くなり伸び縮みがしづらくなる、また水晶体の弾力が失われる、その結果、ピントが合わない状態になる、これが老眼です。老化はだれでもやってくるものですから、受け入れざるを得ないのです。
以上が今までの私たちの老眼に対する常識です。

何が老眼を進行させるのか、原因を知ろう

老眼が始まる年齢は人によって違います。遺伝的なもの、体質的なものもあるでしょうが、それだけではありません。私たちの生活習慣に起因するケースが大半です。パソコンやスマホの普及で、私たちは長時間同じ姿勢でディスプレイを見ていることが多くなっています。たとえパソコンを使用しなくても、机に向かってする仕事が多い人は長時間文字を見ているため老眼になるのが早くなる傾向があります。長時間同じ姿勢で小さな文字を見るために首や肩こり、肩こりからくる頭痛、眼精疲労が起こります。こうした症状は、血流が悪くなっているからです。そして、血流が悪くなると目が酸欠や栄養不足になるため老眼になりやすいというわけです。こうした意味では、運動不足も血流を悪くさせる要因と言えますから、運動をあまりしない人は老眼になるのが早いといえます。また、老眼になっているのにもかかわらず、見栄を張って老眼鏡をかけない人は無理して見ているので、目を酷使してしまい老眼の進行を早めることになります。

目だってアンチエイジングできる

アンチエイジングという言葉は女性の間では常識になりつつあります。これは老化していく身体を、努力の上努力を重ねて老化から自分を少しでも遠ざける涙ぐましい女性の話だけではありません。目だってアンチエイジングできます。少しでも老眼になるのを遅らせる努力を怠ってはいけません。

目のストレッチをして老眼を予防しよう

身体は柔軟体操をして筋肉をほぐし血流を良くすることがアンチエイジングの第一歩と言われています。これと同様に目もストレッチをすれば老眼の予防ができます。まずは、ウインクでウォーミングアップ、これで目の周りがほぐします。次に目を上下左右に動かします。顔は正面を向けたまま目だけ動かすのがポイントです。これで目の疲れがとれます。最後に眼球をぐるぐる回します。これは目の動きをスムーズにするための体操です。最近では3Dアートを使った視力回復法というのがあります。これは、3Dアートと呼ばれる模様の絵を見ることです。3Dアートの絵を見るためには、遠くを見るようにぼんやりと見る、次に真ん中あたりを集中して見る、つまり寄り目にする、これを繰り返す必要があります。ぼんやり見ているときは目がリラックスした状態、寄り目は緊張した状態を作ります。これで毛様体筋と水晶体のストレッチができます。

目を労わろう

疲れた目は十分休ませる必要があります。睡眠不足は、なによりも眼精疲労の最大の敵、疲れたらしっかり睡眠をとることです。目や目の周りを温かいタオルや冷たいタオルをあててリラックスさせるのも効果があります。こうすると血流がよくなり気持ちが良くなります。また、肩こりのツボがあるように目のツボがあります。目のツボは目頭・こめかみ・鼻の付け根の3か所にあり、入浴後このツボを軽く押さえると血流が良くなり目の疲れを取ります。

目によい食べ物

目はビタミンやミネラルを多く含む食品が良いと言われています。パソコンやスマホを長時間見続けるとなりやすい眼精疲労やドライアイには、アントシアニン・ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンE・亜鉛が良いと言われています。白内障や加齢黄斑変性などに良い栄養素は、ルテイン・リコピン・カテキン・ベータカロテン・ビタミンCです。この中でもアントシアニンとルテインに抗酸化作用があり目の健康食品として注目を浴びています。抗酸化作用とは日常生活で紫外線にあたる、食品添加物を食べる、ストレス、運動不足などによって、身体の老化の原因となる活性酸素を抑制することです。抗酸化作用がアンチエイジングのカギと言われています。
アントシアニンはブルーベリーに多く含まれ、眼の網膜にある色素であるロドプシンの再合成を促進します。ロドプシンに光があたり目が見えると認識するのです。パソコンやスマホを長時間見ていると、ロドプシンの合成が間に合わず目がかすむ、眼が疲れて頭痛がします。また、アントシアニンは網膜の毛細血管を強くする、角膜や水晶体を作るコラーゲンを安定させる働きもあります。ブルーベリーを食べて視力が回復したという実績は多く発表されています。
ルテインはほうれん草、ケール、ブロッコリー、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれています。目の水晶体と黄斑部に存在しており、活性酸素を作り出す原因である、紫外線やパソコンなどの電子機器から発せられるブルーの有害な光を遮断する働きがあります。目は常に他の身体の部位と違って露出されている部分であり、外から受けるダメージが一番大きい部分ですから、ルテインは目を守るために必要不可欠なものといえます。しかし、加齢とともにルテインが減少すると黄斑変性症(黄斑の老化で視力低下、失明になる)や白内障(加齢とともに水晶体が白く濁って視力が低下する)になる可能性が増します。ルテインは人間の体内にもともと存在していますが、体内では合成できないので、積極的に外から摂らなければなりません。
トマトに多く含まれるリコピンも抗酸化作用が強く、視力回復のためによいと言われています。とくにルテインとの相互作用で効果を発揮します。

ビタミンCは水晶体の酸化を防止し、水晶体の透明度を保つために役立ち白内障の予防に効果があります。小松菜・ブロッコリー・キャベツ・さつまいも・イチゴなどにビタミンCが多く含まれています。夏バテ防止に食べるうなぎにはビタミンEが豊富で血行促進作用があり眼精疲労・ドライアイの改善、老眼予防効果があります。目のために良い食品は他にもたくさんありますが、どの食品もバランスよく食べることが重要です。
逆に目に悪い食べ物もあります。糖分を多く含む食品は摂りすぎると、カルシウムやビタミンB1を壊してしまいます。ビタミンB1が不足すると水晶体や網膜の老化につながります。また、お肉や卵、ビールやチーズなどの酸性食品も身体を酸化させるので良くありません。だからといってまったく食べないのは、かえって体に良くありません。重要なことは、バランスのとれた食事を摂ることです。

老眼は手術で治療できる時代

老化によっておこる老眼ですが、老眼も手術をすれば以前と同じように裸眼で過ごせるようになります。以下に代表的な老眼の手術を紹介します。

① モノビレージョンレーシック

近眼治療で角膜にレザーをあてて薄く削りピントが合うようにする治療が有名ですが、老眼治療ではこのピントの合い方を左右で変える方法をとります。右目(または左目)で近くを見れるようにし、左目(または右目)で遠くを見れるように角膜の削り具合を調整するのです。最初は左右の視力に違いがあるため違和感がありますが、1~3か月で慣れてきます。この手術は長時間運転をする仕事や長時間細かい作業をする人には向いていません。それは以前と比べてものが見える質が落ちるからです。

② レインドロップ

角膜を切ってめくり上げ、直径2ミリ程度の老眼治療用のレンズを挿入します。いわば、手術により目に直接コンタクトレンズを装着している状態です。この手術の良い点は、手術時間が約10分しかかからず手術後すぐに帰宅できるということです。安定するには3か月ほどかかり、小さい文字を見るときはやはり老眼鏡が必要になる場合があります。ただし、角膜の中でずれたり視力が安定せず違和感が長く続けば、再手術をして取り出すこともあります。

③ アキュフォーカスリング

直径3.8ミリ、真ん中がドーナツ状に穴の開いた薄いリングを角膜に埋め込む手術です。目に入ってくる光を中心近くに制限することで焦点が合いやすくなるピンホール効果を応用した手術です。これは、近眼の人が目を細めると焦点が合って見えるようになる原理と同じです。この手術は光の入ってくる大きさを制限することから、片目だけ手術した場合には問題ありませんが、両目を手術すると視野が狭くなり暗く見えるという人もいます。

④ 多焦点眼内レンズ

白内障の手術と同じで、目のレンズである水晶体を砕いて取り除き、代わりのレンズを挿入する手術です。多焦点眼内手術の場合は遠近両用のレンズを挿入します。遠近両用メガネの場合、目線を上下に動かして遠くを見たり近くを見たりしますが、このレンズは意識して動かす必要はなく自然に見ることができます。視力が回復するのに3~6か月かかり、小さな文字は老眼鏡が必要で、薄暗いところでは見えにくい場合もあります。

⑤ フェイキックIOL

角膜と水晶体の間にレンズを挿入する手術です。レーシック手術のように角膜を削ることなくコンタクトレンズのようなレンズを目の中に直接装着することから「永久コンタクトレンズ」とも言われます。コンタクトレンズのように角膜を開いてレンズを取り出せば手術前の元の目の状態に戻ります。角膜を削ることに抵抗がある人、また角膜が薄すぎて削ることができずレーシック手術ができない人に向いています。

⑥ CK(伝導性角膜形成術)

ラジオ波と呼ばれる高周波を角膜の外側にあてることで角膜の一部を収縮させ、角膜中央には触れず、角膜の外側だけの形状を変え、近くを見る視力を回復させる手術です。これは利き目(手と同様目にも利き目があり、よく使う方の目を利き目といいます)でない方の片目にのみ行います。手術時間は3分と非常に短時間で終わりますが、片方の目のみ治療を行うので両目の視力が違うため慣れるのに3か月かかります。他の手術のように直接角膜や水晶体を切らないので、安全性の高い手術と言われています。

⑦ オルソケラトロジー

夜間寝ている間に特殊なコンタクトレンズを装着して角膜の矯正をします。一時的に角膜の形状が変わり、一日だけですが、昼間は裸眼で過ごせるほど視力が向上します。ただ根本的な治療ではないので、毎晩このコンタクトレンズを装着して寝なければなりません。使用を中止すれば元の状態に戻りますから、安全で子どもでも装着可能です。日中、めがねやコンタクトレンズをかけたくない人、スポーツやコンタクトレンズを装着することができない仕事に従事している人に向いています。

手術費用について

では、老眼を治療するためのこれらの費用はいくらかかるのだろうか、非常に気になるところです。

  1. モノビレージョンレーシックは両目45万円、片目23万円
  2. レインドロップは片目31万円
  3. アキュフォーカスリングは29万円~31万円、
  4. 多焦点眼内レンズは両目124万円~170万円、片目62万円~85万円
  5. フェイキックIOLは35万円~80万円
  6. CK(伝導性角膜形成術)11万円~20万円
  7. オルソケラトロジーは両目26万円、片目13万円。

これはネットで検索して調べた金額で実際の手術費用とは多少異なると思いますので、だいたいの目安だと考えてください。これを見てもわかるように、残念ながら老眼治療の手術は美容整形と同様に保険適用外で、非常に高額になります。とくに多焦点眼内レンズの手術はセレブが受ける手術と言われるほど高額です。

まとめ

老眼はだれしもいつかやってくるものとあきらめるのは早いです。日常生活の改善、食生活の改善、眼のストレッチ、ツボ押しで老眼の予防ができ、たとえ老眼になっても進行を遅らせる効果があります。現代は老眼もアンチエイジングの一つと捉えて、努力をした人が老眼から遠ざかることができるのです。
また、老眼が進行した人もあきらめないでください。もう老眼だからとあきらめる時代は終わりました。手術で回復させる方法が医学の進歩によって開発されました。費用が高額でなかなか手が出せないという人もいると思いますが、将来的には保険が適用され身近な手術になるでしょう。